ドラッグは悪くない?
クーリエジャポンがリニューアルしてから、森巣博という作家が毎号コラムを書いている。自らをチューサン階級(中学3年生程度の知識の持ち主ということらしい)と呼び、かなり独自性の強い見解を毎回開陳している。個人的には海外での生活が長い氏の経験に裏打ちされた意見を楽しく読ませていただいていたが、今回ばかりは納得できない。
なんと森巣氏はドラッグを使用することはよいことという驚天動地の主張を行っている。私の専門知識が足りないだけかもしれないが、氏の主張するように警察の生活安全課の人間がみんなシャブ(覚せい剤)を使ったことがあり、また大麻の使用は問題ないから大麻取締法では所持や栽培は罰しても、使用は罰する規定がないなどというのは刺激的というよりも荒唐無稽という感じがしてしまう。
得意のウィキペディアで大麻に関する記述を調べてみた
大麻
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BA%BB
ちなみに覚醒剤も
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%9A%E9%86%92%E5%89%A4
そこでは、やはり大麻については合法化しても良いという主張があると紹介されていた。しかし森巣氏が言うような、覚醒剤の使用について肯定的な記述はほとんどない。これは別にウィキペディアの表現上の問題だけではなく、常識で考えてクスリを使うことで幸せになることは、一時的には認められても、恒常的に使用することが通常とは到底思われない。物議を醸すような過激な発言を行うことで、新しい見方を投入し、議論を活発化させる方法としてはありなのかもしれないが、このような発言を延々と書いた揚句に
「この問題は国家についてもドラッグについても、いろいろと示唆に富むので、次号で続けて検討してみたい。」
と締めくくっている。麻薬を使用することは依存性があるという点や、覚醒剤などの強い薬剤の摂取を続けると精神病になるリスクを負うことにもなるはずですが、こういった面について森巣氏はどのように考えているのでしょうか。それとも一部の報告書で書かれているように、ドラッグの習慣性は、アルコールやタバコと大して変わらないのに、国家による規制がドラッグに対する偏見を生んできたとでも言うのでしょうか?オランダは確か大麻の使用は合法だったはずですが、それは世界的に見ても珍しい例です。アメリカのクリントン元大統領はたしか就任当初にマリファナを吸っていたという疑惑で叩かれかけたことがあったはずです(「吸ったが肺に入れてはいない」などという謎の説明をしていた気がします)
いみじくも、森巣氏もサウジアラビアやイエメンでは向精神薬を常用している人々がいると紹介している一方で、世界中で麻薬や向精神薬は取り締まりの対象になっていることを指摘しています。
唯一森巣氏の今回のコラムの中で素晴らしい点は、こういった禁止や取り締まり物品が、二つの条件によって大きく変わってしまうという指摘でした。
1.地理的に違う場所においては、規制されるものが変わり、それまで摂取が特に問題な かったものが罰せられる対象になったりする(例:イスラム圏での飲酒)
2.時間の経過によって、それまで合法出会った薬物が非合法になる(例:戦前から戦後すぐとそれ以後の覚醒剤の取扱い)
このように、この世に存在するものは場所が変わること、時間が経過することでその意味が相対的に変化していくものであるということはよく覚えておくべきことでしょう。この点を噛みしめつつ来月の森巣氏のコラムに期待をして待つことにします。
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