経済・政治・国際

2008年1月26日 (土)

捕鯨と文化(イルカさん・・・のつづき)

以前に、一度捕鯨に関する記事を書きましたがギガジンの記事を読んでいてやっぱり海外の環境保護団体は、捕鯨反対が自国内で反対されることのない都合の良い活動なので、自分に所属する団体の宣伝に力を入れているんだなということがわかってしまいました。

環境保護団体のグリーンピース、同じ環境保護団体のシーシェパードへの協力を拒否

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080121_sea_shepherd_greenpeace/

この記事によると、グリーンピースは自らの団体が追跡していた日本の捕鯨船の位置を教えるように連絡してきたシーシェパードの船に教えなかったそうです。この二つの団体がもともと同じ団体であったことを考ると単純にお互いに仲が悪いということも言えそうですが、それ以上に捕鯨船を補足して撮影するだけにしても、体当たりを食らわせるなり、酸を投げつけるにしても、とにかく自分たちの団体だけの手柄が欲しいとしか思えない行動です。たまにネット上で見かける「しょせん捕鯨反対は、環境保護団体の資金獲得競争」という説明が頭に浮かんでしまいます。

しかし、そんなことを考えながら今回も少し捕鯨のことについて調べてみたら、面白い記事を発見しました。どこかの雑誌で読んでちょっと思い出せないのですが(クーリエジャポンだったかな?)、探したら2ちゃんでそのことについて書いた部分を見つけたのでリンクを読んいただければと思います。

【論説】“捕鯨強行”の日本は「伝統・文化」を主張するが、一方でアイヌ民族のサケ漁制限の矛盾…米・LAタイムズが批判

http://tsuyoidempa.blog118.fc2.com/blog-entry-449.html

というか2ちゃんではすでに読めなくなっているのでそれを転載していたブログです。中身は読んでわかるとおり、捕鯨を認めているのに、なぜアイヌの人のサケ漁を認めないのかという話しです。そのことについて皆さんいろいろコメントしていますが、私がこの記事で一番注目しているのは以下の水産庁の方のコメントです

水産庁漁業交渉官の森下丈二氏は言う。「私は、政府が常に首尾一貫していると言うつもりはありません。あなただって、あらゆる問題で完璧なんてことは有り得ないでしょう。不本意ながら、アイヌのケースはその例だというわけです」。

鯨肉の国内需要は明らかに小さいにも拘わらず日本政府は毎年、捕鯨枠を拡大して認可している。森下氏は、商業捕鯨を復活させようとする動機づけが日本人の味覚を満たすこととは殆ど関係ないと認識している。商業捕鯨の禁止が解かれたとしても、「鯨肉の捕獲量と消費量は、今日私たちが食べている量とそれほど変わらないでしょう」と彼は言う。

私は日本国内での鯨肉の需要がきわめて小さいのは、単純に漁獲枠が少ないために高騰しているのだと考えていました。私の親などは肉が高いからクジラの竜田揚げがよく給食で出たなどと言っていたのだが、この点はもう変えようがないということなのだろうか?個人的には、通常の肉と同じくらいの値段になれば、鯨肉も定期的に食べたいと思っているのだがどうなのだろう?

まさか天下のLAタイムズがインタビュー内容を捏造するとも思えないが、個人的には水産庁が日本人はこれ以上鯨を食べない前提で捕鯨をしているとしたらもう一度よく考えなおしてほしいと思う。ほんとかどうかよくわからない、鯨が沢山魚を食べてしまうことで水産資源が枯渇することを心配して捕鯨しているなどという論理は、極めて脆弱なものです。もしそれを否定する材料が出てきたときに、日本は捕鯨を続ける理由が失われてしまいます。

どこかの新聞の夕刊に書いてあったのですが、水産庁と外務省の方々はもっと海外に対して、なぜ日本人が鯨を取っているのか、きちんと説明することが必要です。それは日本人は鯨を昔から食べてきた文化であるということ、また取ることが資源管理にもつながる可能性があるということをよく伝えなくてはならないでしょう。その記事ではクジラの文化について一生懸命外国政府の人間に伝えたら、日本には鯨を食べる文化的背景があるということを全く理解していなかったと書いてありました。

現代でもよくいわれることですが、日本は自分以外の国に対してまともに自分たちの暮らす国のことを紹介することができていません。勝手にあこがれてくれるうちは良いですが、説明不足ゆえに「捕鯨は野蛮」「日本人は捕鯨の話になると極めて保守的」といった目で見られてしまっている点もあるのでしょう。それがLAタイムズの記事が突っ込んだ部分と言えるのではないでしょうか。

まあ、そんなに簡単に分かってもらえるように説明できるのかと聞かれれば自信はないのですが・・・

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2007年10月 8日 (月)

非正規雇用の待遇改善は必要ですね

今回は、オタク経済の評論家としても知られる森永卓郎氏がnikkeibpの「SAFTYJAPAN」上ですでに100回以上も連載しているコラムの10月5日発表文を取り上げます。人材関係の仕事をしていたこともあるので下記に紹介するコラムの記事は興味深く読ませていただきました。

「年収100万円台の非正社員」を放置していいのか

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/102/
という表題で、正規社員の有効求人倍率は前年を下回っており、実際には0.59倍(7月時点)程度しか正社員の求人はないことを指摘している。これは全く正しい指摘で、見かけ上求人倍率は回復したように見えるが、実際には企業にとって都合の良い非正規社員をもっと採用したいという圧力が高まっているのである。このこと自体は、個別の企業にとっては収益の最大化を目指すために最大の固定費である人件費を抑えるために最も効果的な方法であることは確かである。

ただ、森永氏の指摘にもあるように非正規雇用者の収入の中央値(統計を取った実際のサンプルの中の真ん中の数値のこと。平均値が実際の上下半分に位置する人からどの程度ずれた位置に存在するかを確認するのに有効)は120万円程度ということで、とても独立して生計を営むのは不可能な程度の所得なのである。

このような実態に基づいた、森永氏の「非正社員の増加は、今後の日本にとって大きな問題となる」という問題提起は、年金制度の崩壊への懸念や、生活保護世帯の激増など長期的に日本社会を不安定にする方向に向かわせかねないという指摘を見事に支えていると思う。

しかし、指摘どおり正社員の賃金の伸びを抑えて非正規社員の待遇改善のための原資として活用すれば良いという提案はかなり無理があるのではないだろうか。労働法制の改正の過程で、同一労働同一賃金という大原則が確認されたにもかかわらず、ほとんど全く諸企業がその定めに従わないのは、企業自体の論理に見合った形で規制を行うか、もっと強制力(罰則など)を持った形で非正規社員の待遇改善を行わなければならないということになるのではないだろうか。

また、賃金の上昇を正社員の賃金を抑制することで調達するのは実際には各企業の状況によって出来る場合とできない場合があるのではないだろうか?特に大規模小売業などでは非正規社員の比率が7割を超える企業も多く、そういった人々全ての待遇を改善することは構造的に不可能なのではないだろうか?全ての損益を通算してうまい具合に非正規雇用者の待遇改善のために利益を分配する方法をまさか政府が作るわけにもいかないでしょうし、実際の解決は非常に難しい問題といわざるえないでしょう。

むしろ、実際には人手不足感から非正規雇用全体での平均的な賃金は上昇傾向にあるのではないでしょうか?平成17年度から18年度にかけての厚生労働省統計調査別公表データという統計サイトから労働統計の賃金構造基本統計調査から非正規雇用者の状況を調べてみると特に非正規雇用として多いと思われる接客・販売・給仕などのサービス業の賃金はこの1年間で顕著に増加しています。このような情勢を考えれば、都市部では賃金上昇はある程度自然に起こると考えて、地域格差の拡大を防ぐために最低賃金の大幅な増額を断行することが必要であり、そのために必要な財政的支援なり、税の控除などを行うことで企業の雇用を下支えする政策が必要となってくるのではないでしょうか?

かなり結論は過激かもしれませんが、私が一時期住んでいた山形などでは時給600円台のアルバイトなど珍しくもありません。そのような賃金水準ではどんなに働いても10万円を切る程度の額しかもらえない人がたくさんいるということを、多くの人に知ってもらいたいと思います。セーフティネットというのは、このような生活保護並みの金額しか収入を得られないような労働条件を改善した上でなければあまり効果を発揮しないでしょう。

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