まさにリテラシーですね
昨日紹介した、宋文洲氏のコラムにも書いてあったことと関連するメディアリテラシーの向上の取り組みとも言えそうな例が、これも以前紹介した「大学プロデューサーズ・ノート」でわかりやすく取り上げられていたので、今回の記事のネタにします。
ニュースクリップ[-11/4]「企業の研究開発費、研究開発者とも増加の見通し」ほか
ブログの管理者であるマイスター氏は毎週日曜日に高等教育関連のニュースクリップを紹介してくださっているのですが(毎回とても役に立っています)、その紹介の仕方が今回はとてもユニークでした。どこがユニークかというと、文部科学省が発表した「民間企業の研究活動に関する調査報告(平成18年度)」という報告から、全く方向性が異なる二つの記事が執筆され、公開されているという事実を紹介されています。
この報告では、企業の研究開発に関するアンケートの一環として、大学を卒業した学生の人材としての期待度と実際の能力について質問しているのですが、当然文部科学省はアンケートの集計結果だけを公開しているのですが、そこから高等教育機関における研究者育成は民間企業からどのような評価を受けているかという解説の段階になると、価値判断の問題だということが明らかになります。アンケート調査のような客観的なパーセントなどの数字で表される問題であっても、どこに注目して解説をするかによって、読者に与える印象は全く異なってくるからです。あえて類型的に考えるなら読売の記事が一般的な評価、サイエンスポータルの記事がやや政府よりな「公式見解」という感じでしょうか。なにしろサイエンスポータルは、JST(科学技術振興機構)という独立行政法人が運営しているサイトですし。
詳しい記事の内容は、リンク先から見られますのでよく読んでみてください。ただ、全く方向性の違う両者も同じこと言っている部分があります。それは企業に就職した学生が期待を上回った働きをした割合は非常に低く、何と1~2.5パーセント程度しかいないということについてです。こればっかりは、ほかの数字に比べて圧倒的に小さいので、双方の記事で企業に就職した研究者が期待を上回る成果を研究者として挙げる例は非常に稀なことがわかります。
おそらく、通常の就職をした大学生の調査であれば期待以上の実績を上げる学生は少なくとも数パーセントなどというレベルではない気がします。大学院強化という方針のもとに文部科学省は博士課程の定員増加を積極的に支持してきましたが、中身についてはすべて各大学に任せきりにしたことで結果的には質の低下を招いている気もします。まあ誰かを批判しても始まりませんが、少なくとも民間企業の研究担当の方たちからは、大学卒業(修了)したての人材に過剰な期待はできないという目で見られてしまっているということは、大学人である私たちは自覚しなくてはならないでしょう。
関係ない蛇足ですが
以前取り上げた荒木先生の講演の記事で、実際に講演の様子がさまざまなブログで取り上げられています。青学はそんなに離れてないんだから、頑張って聴きに行けばよかったかもと今更ながら思っております。ギガジンの記事のリンク先から東北大での講演の様子も分かりますので、気になる方はどうぞ。
荒木飛呂彦先生講演『損をしない漫画を描くための地図』&イベントレポートリンク集
google123b41b527ed1f6d.html
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